清水建設本社ビル 東京都「トップレベル事業所認定」について

東京都「トップレベル事業所認定制度(以下、トップ認定)」とは何か

「東京都知事が定める基準」に適合する地球温暖化対策の推進の程度が極めて優れた事業所

東京都が定めた認定基準及び認定ガイドラインにおいて認定水準(必須項目(高効率照明設備の導入等の事業所が必ず取り組むべき内容))を満足し、かつ地球温暖化対策推進評価ツール(東京都が定めた様式)における総合得点が80点以上であること。
また、認定の継続のためには毎年前述の取り組みの実績を定期報告することが必要である。

(認定トップレベル事業所29棟:2018年7月現在)

認定取得におけるメリット

1.一定規模の事業所から排出される温室効果ガスは東京都条例により排出削減義務が課されている。この「トップ認定」により排出量削減義務が一定比率で緩和される。

清水建設株式会社本社ビル(以下、本社ビル)は、当初からCO2排出量が少ない設計の超省エネビルである。その状況からCO2排出量をさらに削減させるために細かく運用も見直した。「トップ認定」を受けることでCO2削減義務率が通常の6%から3%(1/2)に緩和された。

基準排出量を10,000 t-CO2とした場合の緩和例

2.東京都のホームページにてトップレベル事業所に認定されたことが公表され、清水建設株式会社の環境活動への貢献が広く認知される。

トップレベル事業所等の認定実績(東京都ホームページ)
清水建設本社ビルの建物概要(PDF)(東京都ホームページ)

当社が担当した清水建設本社ビルでの認定までの取組み

1.認定取得までの経緯

時期 内容
2012年5月 清水建設本社ビル竣工
2014年8月 トップレベル事業所申請業務を開始(2016年7月まで)
認定の評価点達成のための項目の抽出(予算確保を含む)
2016年3月頃 空調の自動制御改修工事を実施(設備等の改修工事は1件のみ)
2016年8月 東京都に登録している検証機関による現地での第三者検証を実施
2016年9月 トップレベル事業所認定申請の書類を東京都に提出
2016年11月 東京都による現地立入検査を実施
2017年2月 東京都と専門家(大学教授等)による審査委員会が開催
2017年3月 トップレベル事業所に認定される

2.認定取得に際して実施した「特定温室効果ガス排出削減施策」の内容は以下の通り。
なお、本社ビルの設備は竣工当初から高効率機器を導入していたため、追加や更新した設備はない。

  • 自動制御機器改修:
    設備機器の制御に関して、「電気室の温度制御」の方式が東京都の定める基準に適合していなかったため、適合するように制御方式を改修した(比例制御→二位置制御)。
  • 運用対策:
    本社ビルの運用当初から空調温度設定の適正化や空調機運転時間の適正化、照明の調光・間引き点灯等の運用を実施した。上記以外の対策も省エネWG(ワーキンググループ)で適宜提案し実行した。

3.清水建設本社ビルの特定温室効果ガス排出実績

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